ユナイテッド・シネマとしまえんにて。
良くあるパターンの地球規模の災害を題材としたパニック映画です。
映像的には、もはや誰が撮っても大差ないので特に語ることはありませんが、ストーリー的には良くできていると思います。
この手の映画が失敗するパターンで一番多いのは、エピソードを乱立させてしまうことです。確かに、人類が滅亡するかもしれないという極限状態の中には無数のエピソードが存在するはずなので、映画の中で多くのエピソードを描きたくなる気持ちは分からないでもないです。しかし、あまり多くのエピソードを乱立させてしまうと一つ一つのエピソードの密度が薄くなってしまうし、複数のエピソードをローテーションさせて描いているうちに、一つ一つのエピソードが細切れになってしまい感情移入がしづらくなってしまうんですよね。
もう一つ、複数のエピソードを平行して描く場合に重要なことは、エンディングに向けてそれぞれのエピソードを一点に集約させていくことです。しかし、この手の映画の場合は、最初は誰もが生き残ることを目指していますが、ストーリーが進むにつれて、それぞれ別々の選択をしていくことになります。最後まで逃げ惑う人もいれば、静かに死を受け入れる人もいたり、というようにです。つまり、必然的にエンディングに向けてストーリーが拡散していくんです。だから、あまり多くのエピソードを描こうとし過ぎると、エンディングがオムニバスのようになってしまい収拾が付かなくなってしまいます。
でも、この映画の場合は全編を通じて描かれているエピソードは余り多くないし、生き残ることを目指している人々が中心に描かれているので、ストーリーがすっきりしていて分かりやすかったです。
ちなみに、今まで観た中で一番ひどかったのは「ディープインパクト」ですね。一応、異変を発見した高校生と、地球を救うために立ち上がった宇宙船の船長を中心にストーリーが展開されていくのですが、それ以外の細かいエピソードが乱立しすぎで、メインのエピソードもサブのエピソードも中途半端になってしまっています。だから、ラストで主人公の高校生が生き残ってもイマイチ感動出来ないんですよね。

2009年11月23日
2012
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